【1-2】あなただけの世界/Your unique perspective/Pixar in a Box

こんにちは、ストーリーライターのそーじろ(@sojiro_story)です。

ピクサーのストーリーテリングが学べるPixar in a Box
Khan Academy(カーンアカデミー)が世界の人に世界レベルの教育を無償で提供する、オンライン講座の一つです。

今回は、Pixar in a Boxのストーリーテリング講座【1-2】あなただけの世界/Your unique perspectiveの解説です。(TOEIC950点かつピクサーファンの翻訳家が協力)

Pixar in a Boxのストーリーテリング講座は1〜6章あり、1章は「私たちはみんなストーリーテラー/We are all storytellers」

【1-2】あなただけの世界/Your unique perspectiveは、ピクサーのスタッフがどこからストーリーのアイデアを得ているかのお話です。後半にはレッスンもありますので、ぜひチャレンジしてみてください。

それでは、いきましょう!

「ピクサーのストーリーテリング41ステップ」で講座の一覧が見れます。
※日本語の翻訳全文はページ下部に載せています。

ストーリーはあなたの記憶

ストーリーを作るとき、あなたの「記憶」を思い出すことが大切です。なぜなら、同じ人生を経験をしている人はいないから。

あなたが体験した感情がストーリーに必要なのは、【1-1】ストーリーテリングとは?/Introduction to storytellingでお話しした通りです。

あなたにも、こんな記憶がありませんか?

  • 人生で一番恥ずかしかったこと
  • 人生で一番怖かったこと
  • 人生で一番驚いたこと

どんなことでも良いので、あなたが鮮明に覚えている感情の記憶を思い出してください。

どのようにストーリーを作っていた?

空白のノートに書く子どもの手

ピクサーのスタッフが小さい頃は、どのようにストーリーを作っていたのでしょうか?参考になるお話をご紹介します。

1. 子どもの頃、公園や家の裏庭でストーリーの「世界観」を作っていました。たまに”風邪を引いた”と嘘をついて学校を休むぐらい夢中でした。

– マーク・アンドリュー:Director –

2. Betty and Veronicaのキャラクターに自分で想像したファッションを着せたマンガを描いていました。

– クリスタン・レスター:Storyboard Artist –

3. 小さい頃から絵を描いて周りの反応を見るのが好きでした。もっと反応が見たくなり、とにかくたくさんの絵を描いていました。

– ドミ・シー:Storyboard Artist –

ピクサーのスタッフは小さい頃から自分だけの世界を想像していたようです。オリジナルのファッション世界観を想像して夢中だった様子が垣間見えます。

ストーリーのアイデアはどこから湧く?

白背景に書かれている電球

次に、ピクサーのスタッフはどこからストーリーのアイデアが湧いてくるのでしょうか?参考になるお話を紹介します。

1. アイデアは「自分の生活」から得ています。

  • 最後に幸せを感じたのは?
  • 最後に悲しんだのは?
  • 最後に泣いたのは?
  • 最後に怒ったのは?

自分の生活で感じた感情を思い出しています。

– ドミ・シー:Storyboard Artist –

2. アイデアはほどんど「自分の体験」から来ています。なぜなら、体験は自分を正直にしてくれるからです。ピクサーにとって体験はストーリーの判断基準になっています。ピクサーはその辺のアイデア集めているのではなく、自分の体験を大切にしています。

– マーク・アンドリュー:Director –

3. 私は「生活のできごと」や「ひらめき」を深く強く考えています。なぜなら、私が見た世界は「私以外」誰も見ていないからです。

– クリスタン・レスター:Storyboard Artist –

ピクサーのスタッフは実際の生活でのできごとの記憶を辿るようです。体験から生まれた感情が共感を生むことを知っているからでしょう。

【レッスン】思い出を表現してみよう

白い壁紙に行動しなさいと書かれた文字と黄色の矢印

Pixar in a Boxのストーリーテリング講座ではレッスンが付いています。

知識は貯めても意味がありません。知識を「表現」することが大切です。
Pixar in a Boxのレッスンを受けることで、あなたのストーリーが「共感を生むストーリー」になりますので、ぜひチャレンジしてみてください。

今回のレッスンは「思い出を表現」すること。以下の3ステップで考えましょう。

1. 思い出を書き出す

あなたが鮮明に覚えていてる「思い出」を1つ書き出してください。できるだけ簡単に思い出せる記憶にしましょう。

2. 思い出と感情を結ぶ

なぜ、あなたはその思い出は鮮明に覚えていますか?「感情」と結びつけてみましょう。
(例:喜び、悲しみ、恐怖、怒り、憎しみなど)

喜び、悲しみ、怒り、嫌悪、恐れの感情

3. 思い出を頭から外に出す

 

結びついた「思い出」と「感情」を以下の3つの中から1つ選び、表現してください。

  1. 話す
    →家族、友人、仲間に思い出を話してください。相手に感情を伝えることができましたか?
  2. 文章で書く
    →思い出を文章で書いてください。あなたの言葉に感情は現れていますか?
  3. 絵に描く
    →思い出を線と図形で表現してください。あなたの絵に感情は現れていますか?

レッスンはいかがでしたか?
ぜひ、チャレンジした内容はコメント欄やTwitterに投稿してみてくださいね。

<#タグはこちら>
#ピクサーレッスン
#思い出を表現

【1-2】あなただけの世界/Your unique perspectiveのまとめ

ストーリーを作るときはあなたの「思い出の感情」が大切です。
そして思い出という「記憶」は誰しもが持っていて、唯一無二の「特殊な力」だと思ってください。

あなたのストーリーは、
あなたにしか語れないのですから。

【1-2】あなただけの世界/Your unique perspectiveは以上です。
【1-3】あなたの好きな物語/Your favorite storiesへお進みください。

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【1-2】あなただけの世界/Your unique perspectiveの動画

【1-2】あなただけの世界/Your unique perspectiveの日本語翻訳

【登場人物】
バレリー(Valerie LaPointe:Story Artist)
ドミシー(Domee Shi:Storyboard Artist)
サンジェイ(Sanjay Patel:Animator,Storyboard Artist)
クリスタン(Kristen Lester:Storyboard Artist)
マーク(Mark Andrew:Director)

ナレーター:こんにちは、バレリー・ラポイントです。ピクサーのストーリーアーティストをしています。

私が「ストーリーテリング」の最初のレッスンを担当します。

このレッスンは、私たちとピクサー映画との関わり方を題材にしています。6つのレッスンを受けることで、あなたのストーリーが作れるようになります。ぼやっとしたアイデアが、私たちピクサー映画のようなしっかりとしたストーリーになるはずです。

それぞれのレッスンで、ピクサー映画のスタッフに直接話を聞いて、ストーリーを組み立てるプロセスを共有していきます。

ドミシー:私はドミ・シー。ストーリーアーティストをしています。
サンジェイ:僕はサンジェイ・ペテル。アニメーションと、絵コンテを担当しているよ。
クリスタン:私はクリスタン・レスター。絵コンテを作っています。
マーク:僕はマーク・アンドロスだ。ピクサー映画の監督をしているよ。

ナレーター:このレッスンの目的は、あなたは既に「ストーリーテラー」だと自覚してもらうこと。

これは私たちが普段何気なくしていて、しかも子どもの頃からしていることです。

レッスンを始める前に、ピクサーのストーリーテラーたちがどのように物語を作り始めたのか聞いてみましょう。

−あなたはどのように物語を作り始めましたか?−

マーク:僕は公園でストーリーを作ったり、家の裏庭で世界観を作っていたよ。その頃から自分でマンガを描くようにもなって、そういうことがしたくて「風邪をひいた」って嘘をついて学校を休んでいたよ。

クリスタン:私はマンガの「Betty and Veronica」を紙に写して、自分で考えたファッションを彼女たちに描いていたの。今でも母の部屋には、当時描いたたくさんの絵が残っています。

サンジェイ:中学生の頃や高校生の頃、美術の時間に「アメリカの歴史」をテーマにポスターを描く宿題がありました。だから、そういったテーマを「視覚的」に表現し始めたのが、この世界に入った第一歩だったかもしれません。

ドミシー:まだ小さかった頃、絵を描いて、それを見た周りの人たちの反応が大好きでした。それからもっとたくさんの反応が欲しくなって、とにかくたくさんの絵を描いていたのがきっかけです。

−どこからアイデアは湧いて来ますか?−

サンジェイ:始めは何も思いつきませんでした。アーティストはアイデアが滝のように流れないいけないと思っていたけど、何も思いつかなかったんです。

ドミシー:私は、ストーリーとそのアイデアは、大抵自分の生活の中から来ています。自分に起こったことをたくさん考えるようにしていて、例えば、”最後に幸せだと感じたのはいつだっけ?””最後に悲しかったことは?”最後に泣いたこととか、怒ったこととかね。

マーク:僕の場合、ほとんど自分の体験から来ているかな。その「体験」こそが僕たちを正直にするので、体験はストーリーの判断基準にとても重要だと考えているよ。

僕はただそこら辺のアイデアを集めてストーリーを作ってるんじゃない。どんなストーリーも自分で考えなければできないよ。

クリスタン:私は生活で起こったことや、”これはひらめきだ”と感じたことを、ずっと粘り強く考えるわ。世界中に発信したいと思う本当に大事な何かを学んだり、思いついたりして出来た物語は本当に面白いと思うわ。

だってそういったことはあなた自身しか経験していないことで、他の誰もが同じ世界を見ていないだから。

ナレーター:同じ経験をしている人は誰もいないから、誰も同じストーリーを語れない。このことを、誰もが持っている特殊な力だと思ってみてください。あなたの捉え方は唯一無二なのです。

次に、あなたの記憶について考えてみてましょう。

1番恥ずかしかったこととか、怖かったこと、驚いたこと、何でもいいです。あなたが鮮明に覚えている記憶にしましょう。

最初のレッスンでは、色々な方法でこの記憶を表現してみましょう。