こんにちは、ストーリーライターのそーじろ（@sojiro_story）です。
ピクサーのストーリーテリングが学べるPixar in a Box。
Khan Academy（カーンアカデミー）が世界の人に世界レベルの教育を無償で提供する、オンライン講座の一つです。
今回は、Pixar in a Boxのストーリーテリング講座【1-4】もし…なら、どうなるだろう？／What if…の解説です。（TOEIC950点かつピクサーファンの翻訳家が協力）
Pixar in a Boxのストーリーテリング講座は1〜6章あり、1章は「私たちはみんなストーリーテラー／We are all storytellers」。
【1-4】もし…なら、どうなるだろう？／What if…は、ストーリーに想像力をもたらすお話です。あなたのアイデアをクリエイティブな世界へと導きますので、ぜひ後半のレッスンもチャレンジしてくださいね。
それでは、どうぞ！
※「ピクサーのストーリーテリング41ステップ」で講座の一覧が見れます。
※日本語の翻訳全文はページ下部に載せています。
「もし」の想像力
「もし…なら、どうなるだろう？」
この「もし」という疑問は、あなたのストーリーに想像力をもたらします。
例えば、こんな「もし」の映画は見たことありませんか？
“もし、他の惑星に生命体があったら、どうなるだろう？”
“もし、ネズミが高級なレストランで料理を作りたいと言い出したら、どうなるだろう？”
“もし、おもちゃに命があって動き出したら、どうなるだろう？”
ピクサーの全てのストーリーは誰かの「もし」の世界の思いつきから始まります。
なぜ「もし」を使うのか？
ピクサーのスタッフはなぜ「もし」を使うのでしょうか？実際にお話を聞いてみましょう。
1. 「もし」という考えは、想像力を必要とするからだね。
– マーク・アンドリュー：Director –
2. 本当に素晴らしい「もし」がひらめいた瞬間は、閉ざされていた扉が開く感覚になるからです。
– クリスタン・レスター：Storyboard Artist –
3. 「もし」は想像力が豊かにします。なぜなら、脳の論理的な思考を停止させ、夢を司る部分を作動させてくれるからです。
僕が監督をした『ボクのスーパーチーム』という短編アニメーション映画のお話をします。僕が思いついた「もし」は「もし、マンガが大好きな男の子が父親の心が読めたら、どうなるだろう？」ということです。 僕にとって『ボクのスーパーチーム』は一番力を注ぎ込んだ「もし」です。
– サンジェイ・ペーテル：Animator,Storyboard Artist –
ピクサーのスタッフは想像力を意図的に働かせるために「もし」を使っているようです。あなたはどんな「もし」を想像しますか？
【レッスン】あなたの「もし」を考えよう
Pixar in a Boxのストーリーテリング講座のレッスンです。
今回のレッスンは、【1-3】あなたの好きな物語／Your favorite storiesで考えた「3つの物語」を使いますので、左記のページをご覧ください。
本日のレッスンは2つです。それでは、想像してください。
1. 好きな物語の「もし」
あなたが好きな3つの物語を「もし…なら、どうなるだろう？」という視点で考えてください。
（例：『ファインディング・ニモ』の場合。もし、カクレクマノミの親子が離ればなれになったら、どうなるだろう？）
この「もし」を誰かに伝えて、相手はあなたの好きな物語が分かるか試してください。
2. 「もし」を考えよう
あなたの「もし…なら、どうなるだろう？」のアイデアを3〜5つ考えてください。
思いついた「もし」というアイデアは、コメント欄やTwitterに投稿してみてください。
今回のレッスンは以上です。
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#ピクサーレッスン
#もし
【1-4】もし…なら、どうなるだろう？／What if…のまとめ
「もし…なら、どうなるだろう？」という考えが、想像力をもたらすことがお分かりいただけましたか？
大切なのはあなたのストーリーのアイデアを正確に伝えることです。
ピクサーの「もし」は楽しいだけではありません。自分のストーリーのアイデアを簡単に伝える方法であり、クリエイティブな世界への道しるべとなります。
【1-4】もし…なら、どうなるだろう？／What if…は以上です。
【1-5】世界観とキャラクター／World & Characterへお進みください。
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【1-4】もし…なら、どうなるだろう？／What if…の動画
【1-4】もし…なら、どうなるだろう？／What if…の日本語翻訳
【登場人物】
バレリー（Valerie LaPointe：Story Artist）
マーク（Mark Andrew：Director）
ドミシー（Domee Shi：Storyboard Artist）
サンジェイ（Sanjay Patel：Animator,Storyboard Artist）
クリスタン（Kristen Lester：Storyboard Artist）
ナレーター：ピクサーが映画を作るのには、何百人もの関係者、そして何年もの歳月がかかるけど、全てはある人の「世界」の思いつきから始まります。
マーク：もし、他の惑星に生命体があったらどうなるだろうか？
ドミシー：もし、ねずみが高級な料理を作りたいと言い出したら？
サンジェイ：もし、身の回りのおもちゃに生命があり、動き出したら？
ナレーター：このような「もし…なら、どうなるだろう」という疑問は、私たちがまさに今作りたいストーリーに想像力をもたらします。
では、ピクサーのみんなはどのように「もし…」を使っているのでしょうか？
−なぜ、「もし…」と考えるのですか？−
マーク：「もし」は本当に想像力を必要とするよ。
クリスタン：最高の「もし」が生まれる瞬間は、閉ざされていた扉を開くような感じがするわ。
サンジェイ：「もし」は脳の論理的に考える部分を停止させて、夢を司る部分を作動させるんだ。そうすると想像力が豊かになり始める。少なくとも僕の場合は、「もし」が僕を色々考えさせるんだ。
例えば「ボクのスーパーチーム」っていう短編アニメーション映画の脚本を書いて監督をした時、まず、”こんなことを伝えたい”って思い浮かんだんだ。
「もし、子どもたちが父親の心を読めて、考えていることとか信仰しているものが分かったらどうだろう？」「このアイデアを鮮やかな色と3Dの技術で、漫画が大好きな男の子と一緒に描いたらどうだろう？」ってね。これが映画として1番気合を入れた「もし」かな。
ナレーター：ピクサーでは、このような「もし」の仮定は楽しいだけではなく、自分のストーリーのアイデアを簡単に伝えて、クリエイティブな世界へと導くものです。
このように、正確にストーリーを伝えられるようになることが大切です。次のレッスンでは、「もし」という観点からあなたが選んだ3つの映画を考えてもらいます。