こんにちは、ストーリーライターのそーじろ(@sojiro_story)です。
ピクサーのストーリーテリングが学べるPixar in a Box。
Khan Academy(カーンアカデミー)が世界の人に世界レベルの教育を無償で提供する、オンライン講座の一つです。
今回は、Pixar in a Boxのストーリーテリング講座第【4-5】動き/Motionの解説です。(TOEIC950点かつピクサーファンの翻訳家が協力)
Pixar in a Boxのストーリーテリング講座は1〜6章あり、4章は「ビジュアル/Visual language」。
【4-5】動き/Motionは、線と形が示す「動き」の役割についてお話しします。動きの基本となる「動線」と「動作線」を理解すれば、絵コンテでも動的な表現ができます。
キャプチャー画像を用いて解説していますが、わかりづらい部分は動画と日本語翻訳文を照らしながら学んでみてください。
後半のレッスンでは「動き」を描いてみましょう!
それでは、どうぞ!
※「ピクサーのストーリーテリング41ステップ」で講座の一覧が見れます。
※日本語の翻訳全文はページ下部に載せています。
【4-5】動き/Motionの動画
【4-5】動き/Motionの日本語翻訳
【登場人物】
ナレーター(Bobby Rubio:Story Artist)
スコット(Scotto Morse:Story Artist)
マイケル(Michael Yates:Story Artist)
アルバート(Albert Lozano:Character Art Director)
ダニエラ(Daniella Strijleva:Production Designer)
ナレーター:
「動き」は映画において大切な役割を持ちます。
絵コンテやコンセプトボードは静止画なので、物語を伝えるには「動き」を表現しなくてはなりません。
今回の講座では、静止画に動きを感じさせる方法を学び、得に「動線」と「動作軸」の2つの手法について探ってみましょう。
「動線」は、ある物体がこの物体の動く方向に伸ばした線であり、物体を動いているように見せます。
レーシング・トラックに車を描くなら、このように線を足すことができます。

「動作軸」は少し違って、その瞬間の力と動きを示す、キャラクターの背骨に走る想像上の線と考えます。
キャラクターのポーズを動作軸の基本にすることで、動きが表現できます。このように絵は動かないけれど、キャラクターから動きを感じますね。

『カールじいさんの空飛ぶ家』の絵コンテとコンセプトアートを参考にして、「動き」を考えましょう。
スコット:
『カールじいさんの空飛ぶ家』このコンセプトアートは、カールの家が初めて街に浮かび上がる場面で、ここで描かれている「形」は静止画です。

普通、物体が勝手に動いたりはしないけど、構図で使われている技法によって家の動きが感じるよ。
たくさんの風船が上方向に飛んで行く動きが、家を引き上げている。家が「三角形」で尖っていることからも、上に向かう動きを感じさせる。
そして背景も家が飛んで行く伝える役割をしていて、大きさが違う樹木が視線を前方に移動させるんだ。
マイケル:
家を見ると、まっすぐでなく、ほんの少し傾いているから、周りの静止している物体とは違う性質を持つことがわかる。

家がまるでひとつのキャラクターのように、斜め上へと飛んでいくのを感じさせるよ。
アルバート:
『カールじいさんの空飛ぶ家』のエリーで面白い実験をしてみたよ。
この絵のエリーは両手を腰に当てしっかり立っているけど、エリーが上に向かっているような力を感じさせたかったんだ。2本の曲線を使って、視線を上に向けさせたよ。

さらに、四角くてどっしりとした姿になったカールとエリーは正反対なんだ。

歳をとってもっと気難しくなったカールは、重荷を背負い地面に固定されたような雰囲気にしたんだよ。
マイケル:
『カーズ/クロスロード』この絵の「動き」にムダがないところが気に入っているよ。簡単に見えて、実は逆に複雑になりがちなんだ。
マックィーンのタイヤが少し斜めになっていて、下の部分も右に傾いているように感じる。そして全体の「動作軸」は進路へ向かう斜めの線なんだ。

後ろの車の「動作軸」も進路へ向かい、2台の車がこの空間で前進しているように見える。絵コンテで簡単に動きを表現できる「スピード線」も役立っているよ。

さらに後ろの車は、他の2台より速度が遅く、それほどレースに必死ではない。2台の競争を後ろから感心しながら眺めているんだ。
だから後ろの車の「動作軸」は直線で、タイヤもまっすぐ。前の2台とは正反対だよ。

ダニエラ:
『メリダとおそろしの森』のキャラクターデザイナーが描いた、魔法で熊に変えられたばかりのメリダのお母さんの動きのアイデアよ。人間が巨大な熊に変えられ、戸惑っているわ。

キャラクターのデザインで大切なのは、キャラクターの頭から足まで伸びる「動作軸」を使って、身振りや動きを伝えることよ。お母さん熊の動きはまだぎこちなく、熊のからだをどう使えばいいかわからず、グラついているわ。
新しいからだに慣れるにつれ、とても優雅な動きに変わり、この絵から優しくなめらかな「動作軸」に気づくの。

彼女の上品な動きが伝わる、無駄のない美しいデザインが素晴らしいわ。
ナレーター:
今回の講座でわかったように、静止画でも「動き」を感じさせることができます。
線の方向と性質、キャラクターのポーズ、そして画面の中の要素を上手く使うことが大切です。

次のレッスンでは、もっと詳しく「動き」について考えてみましょう。
【レッスン】動きを描いてみよう
Pixar in a Boxのストーリーテリング講座のレッスンです。
今回は「動き」について考えます。「3つの物語」を使いますので、下記ページをご覧ください。
今回は3つのステップです。それでは、どうぞ!
1. 動きの役割を考える


上記の画像をゆっくり観察してください。
それぞれ、どのような動き(動線や動作軸)が表現されていますか?また、その線はどのような役割を果たしていますか?
2. 好きな物語の動線と動作軸
動線と動作軸について、以下の2つを描いてみましょう。
- 白紙に単純な形(跳ねるボールなど)の速さや方向を示す「動線」を描いてみましょう。
- あなたが好きな物語から、1つ動きのあるシーンを選びます。そのシーンの「動線」と「動作軸」を白紙にスケッチしてみましょう。
3. あなたの物語の動き
あなたの物語の動きについて、以下の2つを描きましょう。
- あなたの物語から動きのあるシーンを選び、動作軸を使ってキャラクターのポーズを描いてみましょう。
- キャラクターの動線と動作軸を組み合わせて、動きのあるシーンを描いてみましょう。自由な発想を忘れずに!
今回のレッスンは以上です。
動きが描けた人は、コメント欄やTwitterに投稿してみてくださいね。
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【4-5】動き/Motionのまとめ
動きを自由自在に操れば、観客の視線を動かしたり、キャラクターの性格やポーズを表現したりすることができます。
線の性質を利用して、美しいデザインを描いてみてください。
【4-5】動き/Motionは以上です。
【4-6】トーン/Toneへお進みください。
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