【3-7】ストーリー構成のアドバイス/Advice/Pixar in a Box

こんにちは、ストーリーライターのそーじろ(@sojiro_story)です。

ピクサーのストーリーテリングが学べるPixar in a Box
Khan Academy(カーンアカデミー)が世界の人に世界レベルの教育を無償で提供する、オンライン講座の一つです。

今回は、Pixar in a Boxのストーリーテリング講座第【3-7】ストーリー構成のアドバイス/Adviceの解説です。(TOEIC950点かつピクサーファンの翻訳家が協力)

Pixar in a Boxのストーリーテリング講座は1〜6章あり、3章は「ストーリーの構成/Story structure」。

【3-7】ストーリー構成のアドバイス/Adviceは、3章の最後の講座です。

ピクサーのスタッフが未来のストーリーテラーへ向けてストーリー構成のアドバイスを送っていますので、最後までお楽しみください。

それでは、どうぞ!

「ピクサーのストーリーテリング41ステップ」で講座の一覧が見れます。
※日本語の翻訳全文はページ下部に載せています。

ストーリー構成で大切な4つ

ストーリー構成で大切な4つのポイントをまとめたのでご紹介します。

1. 終わりから考える

ストーリー構成の1番のアドバイスは「終わりから考える」ことです。

なぜなら、物語で起こる事件ばかりを先に考えると、どのような障害を与えるべきかわからなくなるからです。

大切なのは主人公の心の成長です。心の成長をキャラクターアークで描き、主人公の気持ちを絵で表現すれば、ストーリーの基礎が出来上がります。

キャラクターアークの描画

物語をどこで終わらせたいかを先に考えることで、逆算的な組み立てが可能になります。

2. ストーリーに触れる

読書はストーリーテリングの基礎です。映画鑑賞は話の展開方法が分かります。

あなたの基礎を作るために、色々なタイプの本や映画を見て、多くの考え方に触れることが大切です。

スタンリー・キューブリック監督の映画は彼の「思想」が見事に表現されているので、良ければ参考にしてください。

3. 何が大切か考える

“あなたにとって、1番大切なことは何ですか?”

ストーリーテリングの基本は「体験」です。あなたの世界はあなたにしか見えないから人は興味を持ちます。

あなたの人生で体験した「大切なこと」をよく思い出し、それを物語のテーマにしてみてください。

4. 何度もチャレンジする

芸術を生み出す基本は「繰り返しのチャレンジ」です。

まず書き、とにかく書き、全力で書き、そして完成させましょう。

そして、自分の中で失敗だと感じた作品は、思い切って諦めて最少から書き直しましょう。

大切なのは失敗から「何がいけなかったのか」を学び、また起き上がってチャレンジする気持ちです。

ストーリー構成のアドバイス

笑顔を向けている中年男性の

ピクサーのスタッフが未来のストーリーテラーへ向けて、ストーリー構成のアドバイスを送っているのでご紹介します。

1. ストーリー構成の一番のアドバイスは「終わりを先に考える」ことよ。

– メアリー・コールマン:Head of Creative Development –

2. 本は素晴らしい物語の宝庫だから、読んだことがない本から物語を見つけることは、常に役立つよ。

– ロバート・グラムジョーンズ:Editor –

3. 自分にとって何が凄く大切かを考えることさ。

僕の場合、少し歳をとってから父親になったから、二人の娘がまだ小さいんだ。だから、”急いで良い父親にならなくちゃ”と思い始め、いつもそれが頭にある。

実は、今書いているストーリーは、「急いで子どもを、とてもいい子に育てなければならない両親」の話なんだ。

– ケビン・オブライエン:Storyboard Artist –

4. ストーリーの失敗は受け入れ難いわ。

でも失敗を怖れず、ダメだったものは思い切って諦め、最初から書き直す。書いて何かを学んで、さらに書きたい気持ちがあれば上達するわ。くじけても、また起き上がるのよ。

– メアリー・コールマン:Head of Creative Development –

5. 色んな体験が大切さ。

しっかり生きて、新しい挑戦をして、新しい人に会ってみよう。ストーリーが始まる世界に、自分で飛びこもう。

– ロバート・グラムジョーンズ:Editor –

【3-7】ストーリー構成のアドバイス/Adviceのまとめ

ピクサーからのアドバイスはいかがでした?

もし、あなたがストーリー構成で行き詰まった時は、ぜひまた覗いてみてください。

あなたのストーリーが、人々の心に深い満足を与える作品になることを心より願っています。ぜひ、あなただけのストーリーを作ってくださいね。

【3-7】ストーリー構成のアドバイス/Adviceは以上です。また、3章「ストーリーの構成/Story structure」の講座もこれで終了です。

お疲れ様でした:)

次回は4章「ビジュアル/Visual language」について学習します。
ピクサーのデザインには原則があります。視覚から得られる情報の原則を知り、あなたのストーリーをより的確に伝えるテクニックを学んでください。

【4-1】視覚の情報とは?/Introduction to visual languageでお待ちしています。それでは。

「ピクサーのストーリーテリング41ステップ」で講座の一覧が見れます。

講座一覧

こんにちは!ストーリーライターのそーじろ(@sojiro_story)です。ピクサーは世界が認めるストーリーテリングの伝道師。ピクサーの全21作品(1995年〜2019年)は、アニメ映画賞の最高峰と言われるアカデミー賞「長編[…]

オレンジ色の背景にストーリーテリングと描かれたカチンコ

【3-7】ストーリー構成のアドバイス/Adviceの動画

【3-7】ストーリー構成のアドバイス/Adviceの日本語翻訳

【登場人物】
メアリー(Mary Coleman:Head of Creative Development)
ロバート(Robert Grahamjones:Editor)
ジェームス(James Robertson:Story Artist)
ケビン(Kevin O’Brin:Story Artist)

− ストーリーテラーへどのようなアドバイスを送りますか? −

メアリー:ストーリー構成の一番のアドバイスは、物語をどこで終わらせたいか、「終わりを先に考える」ことよ。終わりから考えれば、設定の仕方がわかるわ。

ロバート:できるだけ多くの考え方に触れることが、とても大切だよ。

本は素晴らしい物語の宝庫で、読書は「ストーリーテリング」の基礎なんだ。読んだことのない本から知らなかった物語を見つけることは、常に役立つよ。

ジェームズ:ストーリー構成を学んだり、色んなタイプの映画を観たりすることが基礎づくりになって、話の展開方法がわかるよ。でも自分だけのやり方でもいいんだ。

永遠に偉大な映画監督の一人、スタンリー・キューブリックの映画は、彼の思想に基づいてきっちり構成されている。彼の映画の中には普通の物語じゃないものもあって、キューブリック監督は人とは違うやり方で物語を表現するんだ。

「A点からB点」を伝える時、ひとつの方法として言葉があるけど、それを物語で伝えることが目的じゃない。監督が持っている「世界の見方」を伝えることが目的なんだ。

ケビン:自分にとって何がすごく、すごく大切かを考えることさ。ちょっと僕自身の話に例えてみよう。

僕は少し歳をとってから父親になったから、二人の娘はまだ小さいんだ。だから、「急いで」良い父親にならなくちゃと思い始めた。急がないと“おじいちゃんになるぞ”ってね。それがいつも頭にある。

今、家で書いているストーリーは、ユーモアがあってSFっぽいんだ。実はその話は、「急いで子どもを、とてもいい子に育てなければならない両親」の話なんだ。

ジェームズ:今までの人生で最高の結果が得られたことは、僕が一番大切にしていたことです。それを仕事だとは感じないほど楽しんで打ち込めたことで、それをやり遂げるために本当の努力をしたから、自分の成長に役立ったよ。

ケビン:まず書き始める。全力で書いてみる。必死で取り組んで、とにかく書いて、完成させる。その繰り返しだよ。

メアリー:自分が書いたストーリーの失敗は受け入れ難いわ。

失敗を怖れず、ダメだったものは思い切って諦め、最初から書き直す。書くことから何かを学んで、さらに書きたい気持ちがあれば上達するわ。

でも失敗したらまた最初からやり直す気持ちが必要よ。くじけても、また起き上がるのよ。

ストーリー作りの時、ピクサーでは必ず「キャラクターの成長」を壁に描くの。

ここには全体がホワイトボードになっている壁があって、そこに下からビュンと大きなアーチを描くのよ。そしてアーチの色々な地点でのキャラクターの気持ちを絵で説明するの。これでかなりストーリーの基礎ができるわ。

ロバート:色んなことを体験することがとても大切さ。しっかり生きよう。新しいことに挑戦して、新しい人に会ってみよう。やりたいことをやってみよう。ストーリーが始まる世界に、自分で飛びこもう。