こんにちは、ストーリーライターのそーじろ(@sojiro_story)です。
ピクサーのストーリーテリングが学べるPixar in a Box。
Khan Academy(カーンアカデミー)が世界の人に世界レベルの教育を無償で提供する、オンライン講座の一つです。
今回は、Pixar in a Boxのストーリーテリング講座 【1-6】ストーリーテリングのアドバイス/Adviceの解説です。(TOEIC950点かつピクサーファンの翻訳家が協力)
Pixar in a Boxのストーリーテリング講座は1〜6章あり、1章は「私たちはみんなストーリーテラー/We are all storytellers」。
【1-6】ストーリーテリングのアドバイス/Adviceは、1章の最後の講座です。
未来のストーリーテラーのために、ピクサーのスタッフがアドバイスを送っていますので、最後までお見逃しないようご覧ください。
今日からあなたもストーリーテラーです!
※「ピクサーのストーリーテリング41ステップ」で講座の一覧が見れます。
※日本語の翻訳全文はページ下部に載せています。
ストーリーテリングで大切な2つ
ストーリーテリングで大切なのは「挑戦」と「練習」です。
なぜなら、ピクサーのスタッフも同じような道を歩んできたから。
ピクサーの「挑戦」と「練習」とはどのような意味でしょうか?アドバイスを参考に少しお話しします。
1. 挑戦
1つめは挑戦
ストーリーには完璧な発想を出さなければいけないと思っていませんか?大切なのは、あなたの感情が引き込まれるアイデアを探すことです。
ピクサーはもちろん、ディズニーやジブリでさえも、ストーリー作りは20回、30回と繰り返し挑戦し続けます。ストーリーと向き合い、何度も何度も練り直すことで、いつかひらめく瞬間に出会えるのです。
余談ですが、ピクサーの長編映画の制作期間は3年〜6年です。
2015年公開、第88回アカデミー賞「長編アニメーション賞」を受賞した『インサイド・ヘッド』の制作期間は5年もかかったそうです。ピート・ドクター監督も映画制作において1番時間がかかるのが「ストーリー作り」だと語っています。
2. 練習
2つめは練習
ストーリーを「カタチ」にするのは一筋縄ではいきません。作っては捨て、捨てては作って。しかし、そうやって模索した過程こそがあなたを成長させます。
イタリア、ルネサンス期の芸術家であり「万能人」とまで呼ばれたミケランジェロは、すべての絵に「絵を描いた過程」を残していました。なぜなら、ミケランジェロにとって「模索」は正解への道しるべからです。
あなたも、失敗した原稿用紙を眺めて落ち込まないでください。あなたのアイデアを頭から外に出し、描き続けること、練習し続けることが成長へとつながります。
決して妥協をしない挑戦と練習が感動を生むストーリーへ導きます。
今日からあなたも、“自分はストーリーテラーだ!”と自覚してくださいね。
ピクサーからのアドバイス
ピクサーのスタッフが「これからストーリーテラーを目指す人」へ向けて、ストーリーテリングのアドバイスを送っているのでご紹介します。
1. 高校生の頃「ミケランジェロの絵」の話を聞きました。ミケランジェロは絵に全ての印を残したこと。間違えた箇所もあっても、模索した過程として、正解へ導くために残していた。
”消しゴムを捨てなさい。消しゴムは、何かを消すためではなく「描くため」に使うものよ。「失敗」を眺めれば、始めより進歩していることに気付くはず。”
僕が美術の先生に言われた言葉を送ります。
– サンジェイ・ペーテル:Animator,Storyboard Artist –
2. 完璧なアイデアを出そうと思わないで。あなたの殻を破り、あなたが感情的に引き込まれる「もし…ならば、どうなるだろう?」のアイデアを探しにいくの。アイデアが見つかったら、ひたすら向き合って挑戦してみて。アイデアを見つけた時の感情は忘れないでね。
– ドミ・シー:Storyboard Artist –
3. 良いアイデアをストーリーにするときは、ひたむきに向き合って取り組むの。繰り返し、繰り返し取り組むことで、着実に「カタチ」になっていくわ。
– クリスタン・レスター:Storyboard Artist –
4. ストーリーを「カタチ」にするのはとても大変だし、あなたから生まれたアイデアが共感されるとも限らない。でも、ストーリーを作ること自体が、考えを頭の中から出して、人に感情を伝えて、心を通わせることだからね。
それが、キャラクターの「行動」なんだ。
– マーク・アンドリュー:Director –
5. もし君がお喋りが好きだったり、絵を描くのが好きだったりしたら、それは素晴らしいことだよ。
例え、たくさん失敗した下書きとか原稿用紙を見ても、それは絶対に成長している証拠だから落ち込まないでね。ひたすら「練習」を繰り返すこと。決して簡単なことではないけど、楽しんでやってみてね。
– サンジェイ・ペーテル:Animator,Storyboard Artist –
【1-6】アドバイス/Adviceのまとめ
ピクサーにとってもストーリー作りは簡単なことではありません。
しかし、今日まで挑戦と練習をし続けたことが「成長」となり、今のピクサーへとつながっています。
今日からあなたもストーリーテラーです。
ぜひ、あなただけのストーリーを一緒に作りましょう。
【1-6】アドバイス/Adviceは以上です。そして、1章「私たちはみんなストーリーテラー/We are all storytellers」もこの講座で終了となります。
お疲れ様でした:)
次回は2章「キャラクター/Character」についての学習です。
あなたのキャラクターが、「共感を生むキャラクター」へと進化しますので、ぜひ楽しんでください。
それでは、【2-1】キャラクターとは?/Introduction to characterでお待ちしています。
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【1-6】アドバイス/Adviceの動画
【1-6】アドバイス/Adviceの日本語翻訳
【登場人物】
バレリー(Valerie LaPointe:Story Artist)
サンジェイ(Sanjay Patel:Animator,Storyboard Artist)
ドミシー(Domee Shi:Storyboard Artist)
クリスタン(Kristen Lester:Storyboard Artist)
マーク(Mark Andrew:Director)
ナレーター:覚えていますか?このレッスンの目的は、あなた自身が「ストーリーテラー」だと自覚してもらうことを。
途中で気付くかもしれませんが、ストーリーを作ることはとても難しいです。そのため、ピクサーのスタッフからちょっとしたアドバイスさせてもらいます。
ーこれからのストーリーテラーにどのようなアドバイスを送りますか?ー
サンジェイ:高校生の頃、美術の先生が「ミケランジェロの絵」のことを話してくれたことがありました。先生が特に強調していたのは、ミケランジェロは絵に全ての印を残したこと。間違えた箇所もあっても、正解へ導くために描いていた。
そして正解を見つけても、模索した過程として間違えた箇所は残したままにしておいたんだ。それでいいんだって、プロセスの一部だから。
先生によく言われたことは、”消しゴムを捨てなさい。”
“消しゴムは、何かを消すためではなく、描くために使うものよ。間違えは、少なくともスタート地点よりも少し良くなって、進歩していることに気付くはず”っね。
ドミシー:完璧なアイデアを出そうなんて思わなくていいの。殻を破って、自分が何か感情的に引き込まれるようなものを探しにいくの。それを見つけたら、ひたすら向き合って、挑戦し続けてみて。でも、それを最初に見つけた時の感情は、忘れちゃダメよ。
クリスタン:何か良い考えがひらめいた時、大抵それは「気付き」のようなものなの。”もし…だったら。うーん、、、あっ!」って。
その考えを実行に移す時は、それにひたむきに向き合って取り組むの。繰り返し、繰り返し取り組むことで、着実に「カタチ」になっていくわ。
マーク:ストーリーを「カタチ」にしていくのは試行錯誤の連続だから、とても大変なことだと思うよ。だってあなたが影響を受けて考えついたものは、必ずしも他の誰かに話すためのものとは限らない。
そもそもストーリーを作るということ自体が、自分の考えを頭の中から出して、人にその感情を伝えようとして、心を通わせていくことだからね。その表れが、キャラクターの「行動」なんだ。
サンジェイ:君にとって良い話をするね。もし、君が人に話をするのが好きだったり、おしゃべりが好きだったり、絵を描くのが好きだったりしたら、めげずに突っ走ってね。それは素晴らしいことだから。
例え、自分の言葉で埋め尽くされている、たくさん失敗した下書きとか原稿用紙を見て、”全然成長していないな”と思っても、それは絶対に成長している証拠だから大丈夫。
ひたすら「練習」を繰り返すこと。これは簡単なことじゃないけど、楽しんでやってみてね。
ナレーター:深掘りしていきたい「もし」が見つかり、これから共に歩んでいく「世界観」と「キャラクター」が見つかってきた頃でしょうか?
第2章では、「キャラクターの進化」をピクサーの例を交えながら学んでいきます。